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2014年3月27日木曜日

傲慢さの罠

香川照之さんが書かれた市川中車という本を読んでいる。
その第四章「身を捨てるという生き方」を読んでいる。


「自分本位に生きた仕返しというものはいつの日か必ずやってくる。髪の毛1本たりとて宇宙は決して見逃さない。」


「例えば、顔が人並み以上に綺麗で周囲からちやほやされていた少女は、幼い時からスカウトされたりして本人もその気になっていく。やがてヒット作に出演し、人気も獲得するだろう。その結果20代も半ばになればマネージャーを言葉で木っ端微塵にやっつけるやっかいな女優となる」


「しかし、そんな彼女も、自分の行動やその源であるエンジンがどこに向かっているか多くの場合コントロールできない。」


「生き方の指針が自己中心的なベクトルから離れられないからである。」


「若いうちは商品価値を見出されるが、年齢を重ねれば事情は変わってくる。同時に本人の中にも悩みは肥大化する。」


「お金が回っているうちはまだしもだが、勢いを失うと、悲惨な結末を迎える場合もある。」


「人間というのはある地点を超えると、自分はそれ以上の人間だと勘違いし始める存在だ。途端に努力をしなくなり、嫌なことはやらず、傲慢さだけが突き抜けてしまうことをしばしば目にするようになる。人のために何かをやるという気持ちはどんどん減る」


「謙虚さはやさしさを招き、傲慢さは負のパワーの歪み誘発する」


「お金と地位があれば、俺は偉いとなる。彼等は他人を叩く快感を覚えていく」


「わが身の傲慢さを捨て、真実を正しい目線の高さで見て、謙虚に身を構えることができれば、物事は悪くは転ばない。」


「自分だけの問題として自らの仕事を捉えるのではなく、より大きな責任を常に強く意識しながら、宇宙の力学に則って生きて行く。シンプルなことだ。」


香川さんの最近のスクリーン上でのご活躍は、心底にこのようなしっかりとした考え方を持たれているからだろうと思う。


傲慢な者はいずれ淘汰されることを肝に銘じて。